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※赤頭巾ちゃんパラレル選択夢です
お母さんと二人暮しの私は急遽おばあちゃんの家にお使いに行くことになりました。
私の家もおばあちゃんの家も*ドレッドノート級に田舎にあるから道もあってないようなところを進みます。
「いいか、寄り道なんかしたらぶった斬る
変な奴について行ったらぶった斬る
今日中に帰ってこねぇとぶった斬る」
呪文のように唱えて神田ママがワインとケーキの入ったバスケットを私に押し付けました。
心配してくれてるのかもしれないけど、それなら神田が行けばいいのに。
と不満を言ったら殴られそうなので私は黙ってバスケットを手に取りました。
それを見て神田ママは満足そうに口端だけで笑うと「よし、」とだけ言って台所に戻りました。
赤頭巾
お隣の家(距離100m)のリナリーからもらった頭巾を被ってドアを開くと真っ青な空と輝く新緑が広がってた。
さすがは春だね!
ああ、そういえば今日庭の水遣り忘れてたなぁ。折角春用に色々植えたのに枯れちゃったらイヤだし。
ジョウロジョウロ、えーっと、ジョウr
「さっさと行けこのバカ!」
神田ママにドメスティックバイオレンスされた。
「痛い……」
じんじんとする頭を抑えながらガサガサと草を踏みながら歩く。
リナリーからもらった頭巾がなかったらもっと痛かっただろうな、うん、感謝!
とぼとぼ歩いてると段々森が深くなってくる。
まさかね。
ふっとよぎった嫌な予感を見ない振りしてそのまま進む。
歩いているとさっき見たようなうねった形の木がまた前方に立っていた。
珍しい木、多いんだねここ。うん。
ちょっと目を逸らせば見たことないような花が群生しているのが見えた。
まさか迷ったりなんてこ
「ちょっと、じゃないですか」
「ひィぁッ!?」
考え事してる時にいきなり声かけられて、思いっきりビクリとしてしまった。
振り向くと逆に私の反応に驚いたらしい狼が目を丸くして立っていた。
「な、な何だ、アレンか。吃驚したー」
「何だじゃありませんよ」
そういって狼のアレンがため息をつく。
アレンとは長い付き合いというわけでもないけど、友達だ。何で知り合ったか忘れたけど。
ただ神田ママは狼が嫌いらしくアレンを見るたび思いっきり不機嫌になるからあまり会わせないようにしている。
神田ママが不機嫌になって困るのは私だし。寧ろアレン神田のこと挑発だけして帰ることあるし。
そういえば真っ白い狼って珍しいらしい。他の狼見たことないから知らないけど。
アレンの白い犬耳がピクリと動いた。
「で、僕の家に何か用ですか?」
「え、アレンの家この辺?」
見回すと連なる木の向こうに小さな小屋がいっこあった。
なんかこじんまりとした赤い屋根の可愛い家。狼のイメージから程遠い。
てっきり洞窟にでも住んでるのかと思ってた。
「教えてませんでしたっけ?」
「聞いてたかもしれないけど覚えてなかった」
覚えられる筈もなくね! と胸を張るとすごく呆れた目で見られた。
「おばあちゃんのところにお使いに行くところだったんだけどさ。何か…お花が私を引き寄せたみたいで、不可抗力?」
「……迷ったんですね」
「違うよ。そこのお花が私を呼び寄せたんだよ」
「迷ったんですね」
「ううん、私の足を操作する悪いお花がそこにね」
ずっと同じ問答していると5分ぐらいしてアレンがどうでもよさそうに「あーお花ですね」と同意した。
なんか屈辱。
「でも折角ですから僕の家寄って行きませんか? お茶の一杯ぐらいして休んだら」
なんか狼さんがエセくさい笑顔で立っています。
さてどうしよう?
→一旦来た道戻ろう
→ティータイムは伝統よね
→早くおばあちゃんのところ行かなきゃ
*ドレッドノート級…イギリス戦艦。超ド級などの「ド」の元の意味。
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