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「私疲れてないから大丈夫! それより早くおばあちゃんのところに行かないと日、暮れそうなんだけど」
「あ、それもそうですね」
⇒早くおばあちゃんのところ行かなきゃ
アレンにどうにか道案内をしてもらって、森を抜けると丁度おばあちゃんの家の前に出た。
狼の家とあまり違わない小屋がそこに建っている。
アレンと別れては早速祖母宅の戸を叩いた。
「ラビー」
「おー、入れー」
返答があったのでドアを開けると安楽椅子に座った祖母が嬉しそうに手を振った。
「神田から頼まれものー」
バスケットを揚げて左右に揺らすとケーキがワインの瓶に潰される感触がに伝わる。
は笑顔を変えないままテーブルの一番端にバスケットを置いた。
「ー、またには泊まっていかんー?」
「良いけど神田の了承とらないと怒られるよ」
「電話しとくさ」
「オッケー」
よいしょ、と呟いてラビは椅子から立ち上がり電話のある向こうの部屋へと歩いていった。
はラビがいなくなった隙に安楽椅子を占領する。
「お、いいねコレ」
肘掛に手を置いてふんぞりかえる。
膝の上に高級猫がいれば最高だとは思った。
「ラービー、ちょっとアップルパイ作りすぎちゃったからアンタ食べてよ〜」
ノックと共に玄関が開く。
長身でサングラスをした猟師がアルミホイルで包まれた皿を片手にずかずか侵入してくる。
はその侵入者を見て一瞬動きを止めた。
「あら、お客さん?」
「こっ、ここここんにちは、孫のです!」
椅子から姿勢よく立ち上がりかくかくした動きでお辞儀をすると猟師が小さく笑った。
「初めまして、お料理好きな猟師のジェリーよ」
「はい! 以後お見知りおきをジェリーさん!」
「、とんでもなく堅苦しいさ」
電話を終えたらしいラビが声を聞いて出てきた。
「あ、ラビ、アップルパイのおすそ分け」
ジェリーはラビの姿を確認してアップルパイの皿をラビに押し付ける。
「サンキュー。でもコムイとかには遣らんでいいんさ?」
「もうあげたわよ」
当然のようにジェリーは頷き踵を返す。
「じゃぁねまたね、ちゃんも」
「はい、また! 絶対!」
元気良いの返事に満足してジェリーはさっさと退出した。
「ユウから泊まりの快諾は得たから今日泊まれんぜ〜」
アルミホイルの中を確認してラビが一切れつまむ。
「ね、ねぇ、ラビ、さっきのカッコいい人、何? 誰?」
「カッコ……? ジェリーのことさ?」
そわそわと落ち着きのない孫にチラと嫌な予感を感じながらラビが聞いた。
「うんそう、猟師なんだよね? 家近いの? よくいらっしゃるの? っていうかどんな人?」
早口に、それでも目を輝かせてが捲し立てる。
ラビはの表情に少し顔を歪めたが
「っていうかジェリーさんのあの謎な雰囲気とムガ」
の口にアップルパイを押し込んで黙らせた。
コイツの過保護な母親に確実に怒鳴られる、ラビはため息をついた。
一万ヒットありがとうございました!
おばあちゃん、ラビエンドです。…正しくは猟師エンドです(笑)
最初はおばあちゃん=ジェリーでやたらとおばあちゃんにメロメロな赤頭巾にしようかとも思ったのですが、こっちの方がラビも出せるしいいかなぁ、と思いました。
話としては一番サクサクしてたと思います。っていうか猟師エンドが一番早く筆が進んだ(笑)
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