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→……ここ、どこ?
の動きがピタリと止まります。
周りの雰囲気が凡そ自分の知っている舞踏会ではなかったからです。
というより、舞踏会事態開かれていない様子で大広間はシンと静まり返っています。
「おたく、何してんの」
「へ?」
目を白黒させていると後ろから声を掛けられました。
テンガロンハットを目深に被り少し老成したような男が立っていました。
「いや、あの……ウチのバカと赤羽王子探してるんですけど」
「この国に俺以外に王子が居るのは初めて知ったねぇ」
少しずつの脳内に嫌な予感が巡ります。
「……盤戸国ですよね?」
「いや、ここ西部国」
「…………」
「迷子かい?」
「ジュリィィィィィィィ!!!!!!!!!!」
「ふーん、で、魔法使いにお城に連れてきてもらったら西部国の方の城に来ちゃったと」
「はい、その通りでございます。スミマセン」
平体低頭にが西武国の王子、キッドに謝ります。
「ま、俄かには信じがたい話だけど……て、頭あげなよ」
「はぁい」
が恐る恐る顔を上げるとキッドは困ったような顔をしていました。
「でも困ったねぇ、盤戸国はウチから遠い上に国交もないし身元のハッキリしないおたくじゃ出国すら難しいし……そんな泣きそうな顔しなさんな」
キッドが優しくの頭を撫でます。
「帰る手段は探してあげるけど、やっぱ難しいかなぁ」
「そうですか…」
「いっそのこと、この国に住むってのはどう?」
「え?」
はキッドの顔を覗き込むように見直します。
キッドはテンガロンハットの縁をいじりつつ続けます。
「最初は戸惑うだろうけどいい国だよ。乗馬は好き?」
目を瞬かせてがポカンと口を開けます。
「まぁ、強制もしないしおたくの判断に任せるけど」
「住みます」
「って、……決断早いね」
逆に驚いたのはキッドの方です。
は目を輝かせました。
「だって、憧れだったんですよ、外国に行くのって。でもコータローがうるさくて旅行もできなかったから」
「随分とポシティブだね」
キッドがテンガロンハットを徐に脱いで自分の胸に当てます。
「じゃぁ居住が決定したついでに言うけど、俺の妻になって?」
の動きがピタリと止まります。反対に頭は高速回転で現状把握に努めていました。
「…………この国って女の人いないんですか?」
「いや、男女比率は平均並だよ」
「なん」
「一般的に言って一目惚れってやつ?」
なんで、と言うよりも早くキッドが続けます。
も驚いて口が利けません。
「まぁ、それについては何日かかけてじっくり決めてくれて良いよ。その間俺もおたくのこと色々知りたいし」
「え、あぁはぁ」
「じゃぁ取り合えずおたくが生活する部屋を決めようか」
帽子を被り直し、キッドはの手をひいて歩き始めます。
の初めての国での生活もまた始まりました。
二万打多謝!!
イレギュラー、キッド落ち。前半殆ど関係ありませんwww
最初は盤戸で固めようかとも思ったんですがこういうオチもありかなぁ、と。
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