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→王子だ!
赤い絨毯が敷き詰められ綺麗に着飾った貴婦人が上機嫌に踊っています。
その広間の中央に王子はいました。
多分王子です。王子なのにギターをクールにひいていようと髪の毛が赤かろと王子です。
その横を見るとコータローが大声で王子に向って喰って掛かっています。
予感というものは悪い方向で実現するものだとは思いました。
「ちょっと、コータロー!」
駆け寄って母を制止すると赤羽王子は母を無視して弾いていたギターの手を止めました。
「! なんで居んだよ」
「王子相手に喧嘩してるって聞いたから飛んで来たんじゃない!」
「こんな奴が王子なんて認めねー!」
「うわぁぁぁ、ヤメなさいってもう!」
「」
「ん?」
後から声が掛かります。
肩を掴まれて強引に振り向かせられました。
「あ、赤羽王子……申し訳御座いませんウチの母が」
怒られる、と王子に赤い目を見ては直感でそう思いました。後ろでコータローが何か騒いでいます。
「……君がギターなら俺は最高の弾き手になろう」
「ハァ? 赤羽王子?」
王子が何を言っているのかには理解できませんでした。
「隼人でいい。二人で最高の音楽を奏」
「ウチのをワケわかんねぇ話で口説いてんじゃねぇよ!」
コータローが二人の間に割って入り赤羽の話を中断させます。
はコータローに言われて初めて口説かれていたことに気付きました。
「邪魔するな。コータロー」
「五月蝿ぇ! 俺の了承もなく娘に手ぇ出すな!」
「フー、この国の法律では恋愛及び結婚は個人の自由であり親族の了承は必要ない」
「関係ねぇ!」
どう見てもコータローの論のほが破綻しているのはの目からも明らかです。
さすがに恥ずかしくなってはコータローの服の裾を引っ張りました。
「コータロー、もう、帰るよ恥ずかしい」
「チッ 待て、このギターにツバ攻撃だけして」
「ヤメなさいってこのバカ!」
「いでッ!」
コータローの頭を一発殴っては赤羽に向き直りました。
「度々の無礼、ゴメンナサイ」
深深と頭を下げます。
「あぁ、もういい。それよりさっきの返事だが」
「先ほどのお話誠に有り難いことですがいきなりプロポーズを受け入れ軽い女だと思われるのも嫌なので、お友達からということで」
「フー……コータローと違って聡明だな。いよいよ君を后に迎えたくなった」
「ダメに決まってんだろ!」
「コータロー! それでは失礼します、王子」
もう一度頭を下げ、はコータローを無理矢理に引っ張って出口を目指します。
赤羽は少し微笑んで上機嫌にギターをかき鳴らし始めました。
二万打多謝!
赤羽王子オチ。こんなプロポーズする王子はイヤだ。
コータローと赤羽の口喧嘩て多分こんなんだと思う。
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