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私とアナタは二人で一つ
顔も一緒身長も一緒。
だから神様が選んだのも二人でセット
twin
私のイノセンスは私のものであって私のものではない。
私一人では扱うことも、発動すらもできない。
もう一人、妹が横にいないと私はただの木偶の坊になってしまうのだ。
でもそれは妹も同じ条件。
神様がそう決めたのだから抗えない決まりごと。
二人で一つのイノセンス。
双子は二人揃って一人前。
それでも私と妹では内面においては違いがあった。
妹は例えるならば金ぴかの玩具。
上っ面可愛くて見目も良くて其処に居るだけで人目を引く金色のおもちゃ。
子供の頃から要領が良くて八方美人で、得をするのは妹ばかり。
それは教団に入っても同じことだった。
それでも神様に選ばれて私はやっと妹と同等になれたのだと喜んだ。
私は妹、妹は私。戦う時も危ない目にあうときも必ず一緒だった。
「あ……?」
「ん、正解」
廊下を歩いていると急に名前が呼ばれた。
顔を上げて見ると白髪の少年が首を傾げて立っていた。
彼は私と妹を一度も間違えたことはないのだがいつも彼は呼びかけは疑問系だ。
「良かった」
間違えなかったことに安堵してアレン君が胸を撫で下ろす。
彼の頭の上で金色のゴーレムが円を描いて飛んでいた。
「えっと……その、」
歯切れ悪くアレン君が自分の手袋を弄りながら視線を宙に泳がせる。
私は自然と目を細めて彼を眺めた。
選んでくれたのに、結局神様は何も変えてくれてなかった
得をするのは、妹ばかり
「我が愚妹なら現在談話室でコーヒータイムよ」
「あ、ありがとうございます!」
そう言って彼は嬉しそうに笑って私の横を通り過ぎる。
耳が少しだけ赤くなっていたのを私は見逃さない。
彼は妹に惚れているのだ。
私と同じ顔をした妹に。
一緒の顔をしていても同じ背丈をしていても、彼が選んだのは矢張り妹なのだ。
私は普段、妹を名前で呼ばない。
名前までよく似ているから、呼びたくない。
何処までも似すぎていて、余計悔しくなるから。
何処までも似すぎていて、自分が、妹が憎くなるから。
私は霞む視界の中走っていく彼の後姿を眺めていた。
暗い。当初このサイトを立ち上げた時こんなんばかりやろうとしてました。
最初はイノセンス(戦車)も出そうと思ってたんですけど説明にやたら時間かかるからやめました。
しかもこの時代まだ戦車もできてないしね!
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