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「神田ー今日の午後さー熱ッ!」
「バカ、冷まさねぇからだ」
この関係に名前を付けるとするならば
神田とは何かと一緒にいる。
しかもお互い会話は成立しているし意思交換もできている。(僕と神田では先ず無理)
さっきだって神田の意見を無視してとご飯食べることにしたけど僕が申しでなかったら多分二人で食べてただろう。
途中がジェリーさんのところで立ち往生しようとしてたけど神田が引っ張ってテーブルに着かせた。
僕が自分のご飯を持っての向かいに座った時はジェリーさんジェリーさんと何か喚いていた気がする。
それを聞き流して神田は蕎麦をすすっていた。それもそれでスゴイ。
ちょっとしたらも大人しく朝食につきはじめた。
普通に喋ってご飯を食べていたら今度はが神田のお茶を飲もうとして舌を火傷した。
それを見て神田は僕の前に置いてあった水をさっと取ってに渡す。
……別に、が飲むからいいんですけどね。…神田がに渡すのが気に食わないとかじゃないですけど……一言ぐらい。
しかもが神田のお茶を勝手に取っても怒らないし。もで当然のように取るし。
間接キスになるってことも考えてないんでしょうね、あぁ考えたら、今僕とも間接キスしてますね。
……なんかこうまで普通にされるとバカバカしくなってるくるなぁ。
「ひりひりするー…アレーン助けてー」
「えー……唾つけてたら治るんじゃないですか? 舐めてあげましょうか?」
身を乗り出してテーブルに手をつくと横から思いっきり拳骨が降ってきた。
見ると神田がかなりの凶悪面で僕を睨んでいる。
軽いジョークなんだけどなぁ。日本人って農耕民族じゃなかったっけ?
「成る程、舌だったら始終自分の唾ついてるんだから治りも早そうだね!」
一人納得したらしいがキラキラと嬉しそうな目で僕を見る。
別に感心するところじゃないそこ。
「あ、ゴメン全部飲んじゃった。入れ直してくるね、水」
空になったコップを持ってが立ち上がる。
揺れたテーブルの端にあった味噌汁がタプタプ揺れた。
「待て」
神田が椅子を直そうとしていたを制止してぐっと引き寄せた。
キスでもするのかと一瞬ヒヤっとしたが見ているとハンカチでの口元をやや乱暴に拭いている。
「取れた? 取れた?」
「ああ」
がペタペタと自分の唇の周りを触る。
少量ついていたケチャップが消えていた。
「じゃ行ってきます」
そう言ってはコップを持ってジェリーさんの元へ小走りに走って行った。
神田は丁寧にハンカチを折りたたむとその手での味噌汁を真ん中へ移動させる。
「…神田、良いですか?」
の後姿を見送って、箸を持ち直した神田が顔を上げる。
「今思ったんですけど神田とって、何か親子みたいですよね。母親と十歳児」
そう言うと神田の黒い眼から殺意がびしびし僕に向けられてきたので僕は慌てて目を逸らした。
当初は恋人みたいだと疑っていたというのは僕の口から出ることはなかった。
言う気もない。
もどかしい二人、神田と。アレンの判断では二人の関係は母親と子供(笑)
本人達がではなくてあくまでもどかしいのは周りが。
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