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※小説版Dグレキャラが登場します
「神田さんは、やさしいですよね」
紅茶ふいた。
監視人
コムイさんは有言実行の人だ。
私はあのまま急な睡魔に負けてそのまま寝てしまった。起きた時はもう朝で、私は自室のベッドにいた。
今考えると最初に勧められた水が怪しいような気もするが変な味なんかしたか覚えていない。
昨日言ってた通り朝になると私の行動を制限すべく一人の探索部隊を派遣してきた。
直接私の部屋まで来たのはゴズという私や神田よりも1,2回り大きい、背だけはジェリーさんと同じくらいの浅黒い肌をした男の人だった。
ジェリーさんと違うところは全体的に筋肉質なところだろうか。ジェリーさんは筋肉のわりに細い体躯をしているがゴズさんはレスラーさながらの大巨漢だ。
燃え上がるような赤毛も深い緑の目も朝日にキラキラと光った。
厳つい体とは裏腹に優しい目をしている。
性格も見た目にはそぐわず最初の説明の時も「監視にきてしまってゴメンナサイ」というかなり下手に回った言動だった。
私もそんな彼に一瞬で毒気を抜かれた気がして不平を漏らすつもりだったのが思わずティータイムに誘ってしまった。
うん、フレーバー。
ジェリー特製紅茶の葉っぱ、大好きだ。毎日飲む。
視線をあげるとゴズさんがカップ(私のと同じやつなのに異様に小さく見える)を背中を丸めてちびちび飲んでいた。
私の視線に気付くとゴズさんはフと顔をあげて小さくなったまま愛想よく笑った。体大きいのに可愛いこの人!
「さんのこと、よく知っています」
「そうなの?」
とは言っても絶対数の少ないエクソシストなのだから覚えられていて当然なのかもしれない。
でもそれをあえて言うっていうことは何か特別なのがあるのかもしれない。
「神田さんと、以前一緒になったことがあるんです」
ゴズさんは懐かしむように目を細めた。
「苛められたでしょー」
「いえ、命の恩人ですよ」
茶化す声で言ったのに真剣に返された。アレ?
「神田さんは、やさしいですよね」
「ッ!」
紅茶が気管に流れ込んできた。うわ! 苦し!
しばらくムセているとゴズさんが慌てて背中をさすってくれた。
「えー…聞き間違いかな。あ、妖精さんのお声かしら」
「いつもさんには優しいじゃないですか」
寝耳に水、青天の霹靂、目が点になる。日本語でこういうんだっけママ。
コムイさんから一昨日もらったクッキー缶を開ける。
勧めるとゴズさんは嬉しそうにジャムのついたクッキーを食んだ。
「でもちょっと意外。神田って探索部隊の人からあんま良く見られてないと思ってた」
渦巻きのクッキーを一枚とって齧る。
「…確かに神田さんのことを苦手と感じる人はいます」
ぽそぽそとゴズさんはバツが悪そうに言う。
「うんまぁ神田って超沸点は低いしバイオレンスだし目つき悪いし歯に着せる衣はないし大偏食家だ……ドッキリカメラとかないよね? か、神田さんってスバラシイジンブツダヨ!」
昨日から教団全部を巻き込んだどっきりカメラとかだったらどうしよう。
今の聞かれてたら私確実神田に殺されますね!
「カメラはありませんよ」
「それは良かった!」
本当良かった!
ゴズさんが呆れたような笑いしたけど見てない振りします。
「時々選民思想ちっくなことも言っちゃうでしょ? 反感買ってんじゃないかなーと」
すこし温くなった紅茶を一口飲む。
ゴズさんは曖昧に笑ってクッキーを咀嚼していた。
ちょっとゆったりと朝のティータイムを楽しんでるとドアがノックされた。
ドアを開けるとミランダが目にくまをつくって立っていた。
「わお、ミランダ寝不足?」
「うう、うん、まぁちょっと……ちゃん、コムイさんがお呼びですことですのよ」
「ミランダは真剣に寝た方が良いですことですのよ」
伝言だけ済ますとミランダはカクカクと頷いてフラフラした足取りで廊下を過ぎていった。
うぅん、大丈夫かなぁ。
「ゴズさん」
「片付けだけして、行きましょうか」
振り返るとゴズさんがちまちました動きでティーセットを片付けていた。
全体的にほのぼのギャク:シリアス=8:2 ぐらい?
殆どほのぼのかギャグですね。
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